神戸イノシシ~摂津本山(神戸)



2015年5月16日 神戸摂津本山

そこには、俄かに信じがたい光景があった。

眼前に、おおよそ100キロはあるであろうイノシシがデン!と寝転がっているではないか。

もちろん誰かのペットではない、生粋の野生のイノシシだ。

野生であるはずなのに、私との距離は3メートルくらいだろうか、少しも動じる気配がない。

私は山育ちなので、イノシシは人を襲うこともある猛獣だと思っていたが、

なんたる常識違い!なんたる体たらく!なんたる・・・愛らしさ・・・

この写真には6~7頭のイノシシが映っている
実は、上の写真は7月に撮ったもの。私が撮

ったのは左の写真、つまり梅雨前の写真だ。

上は梅雨が終わったころの写真。その間にこ

こに大雨が降り、川は大洪水になった。きっと

あのときに見たイノシシたちは海に流されたに

違いない。おそらく誰もがそう思ったはずなの

だが、なんと、愛らしいうり坊まで一緒だ。

彼らがあの大洪水からどうやって逃げ延びたのか知るすべはない。川はきっちりと護岸工事がさ

れていて、道に上がることももちろんできなければ、流れが淀む個所もないはずだ。水が出れば、

いっきに海まで流されるだろう。ただ、街中に棲んでいるとはいえ、自然を生きるイノシシも生き延

びる知恵というものを持っているのだろうから、その生命力には驚く。

しかし、イノシシは人をめがけて突進してくることもある。通常は、人前に出てこない動物なのだが、

餌が目当てなのか、これも生き延びるための知恵なのだろう。まわりに住む人も慣れっこで、これ

が日常の光景なのだろうが、山育ちの私は、一抹の不安を拭えない。