寅さんの小道〜福岡県朝倉市秋月


2018年11月6日 秋月 廣久葛本舗裏の通称「寅さんの小道」

映画『男はつらいよ』シリーズ第28作『男はつらいよ〜寅次郎紙風船』の舞台となったのが秋月だった。映画の封切りは昭和56年12月。マドンナに音無美紀子さん、ゲストに岸本加世子さん。映画は久留米の水天宮の秋祭りのシーンから始まる。音無美紀子さんは病気で伏せっているテキ屋仲間の女房役。寅次郎がその見舞いに行く家が、秋月にある。当時の様子がうかがえる街中のシーンが懐かしい。見舞いを終えた寅次郎が音無さんと連れ立って歩くのが、野鳥川沿いの小道だ。「あんたもがんばんなよ」と言って別れた寅さんを呼び止めて「うちの旦那・・・俺が死んだら寅さんを頼れ・・・って」と言ってこの小道を去る後ろ姿がとても印象に残る名シーンだ。

写真の白い壁は、廣久葛本舗の敷地を囲う壁で、今は映画撮影当時とは少し変わったが「映画は昔の小道を撮っているので懐かしい」と9代目当主の髙木久助さんは語る。
撮影は昭和56年の初夏に行われ、渥美清さんらは廣久葛本舗の店内で休息されたという。


店舗は築260年を超える秋月古商家。広い土間続きの奥は葛の製造場に続いている。本葛ならではの葛餅や葛きり、寒い季節に欠かせない葛湯など、昔ながらの味を楽しめる希少な店舗だ。寅さんはここで何を召し上がったのか・・・すでに記憶に乏しいとのことでした。


秋月といえば県内有数の紅葉の名所。杉ノ馬場の黒門あたりは、11月下旬が見頃。晩秋の古都秋月を楽しむには一番いい季節の到来です。