佐賀の旅 日本初!お茶栽培発祥の地

ここだけぽっかりと空間が開け、日当たりの良い山の斜面に茶園が広がる。遠く眼下にうっすらと白く見えるところは、吉野ケ里道の駅。自由に持って帰れる湧水が有名。眺めのいいところです。



                      茶園があったことを記す看板



                 霊仙寺は「りょうざんじ」、栄西は「ようさい」と読む






茶園の横の階段を上りきると平坦な広場に出る。そこには小さな拝所がある。空気が一段とひんやりし、木々に囲まれて薄暗く、パワースポット的雰囲気が漂っている。霊仙寺跡は、さらに奥に入る。


福岡市内に「聖福寺」という日本で最初の禅寺があります。
山門には『扶桑最初禅窟』の扁額が上がっています。
NHK大河ドラマ「平清盛」のちょっと後、鎌倉時代の
源頼朝や後鳥羽上皇に縁の深い禅寺です。
数年前、境内山門の裏手に、佐賀県の背振山で育った
お茶の木が“里帰り”植樹されました。

聖福寺の開祖は栄西禅師。当時の宋から帰国し開山。
その折に、お茶の実を持ち返り禅の修験場であった
佐賀県背振山中の霊仙寺で育て、日本で初めて
お茶を栽培したと言われています。
栄西禅師が日本の茶祖といわれるゆえんです。
それで原木が境内に里帰りしたというわけです。
「茶禅一味」などと言われたり、
よく禅道と茶道は似ているなどと言われるのもうなずけます。

栄西禅師は後に『喫茶養生記』という書物で
薬としてのお茶の扱いを初めて記した人でもあります。
かの北条政子が建立した寿福寺に住職として招へいされ、
その後に、京都の建仁寺を開山するなど、禅師はまさに、
当代随一の名僧だったことが伺いしれます。

その栄西禅師が修行したという背振山中の霊仙寺跡を
訪ねることができます。(詳しくは自治体HPを!)
整備された山道を20分ほど上ると境内だったところに出ます。
そこだけ視界が開けていて、山の斜面には茶畑が
広がっています。これは、江戸時代頃のものらしいのですが、
きっとこんなふうに、お茶を栽培していたんだなと
ある種の感慨を覚えます。そして、なんというか
パワースポット的雰囲気が漂っていましたね。

山道なので、虫やへびなどの心配がない
冬の天気の良い日に行くのがおすすめです。
持参した熱い一服の茶にあずかれば、元気が出てきます。      
2012.2.2