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雨の金沢駅前 |
2012年7月5日~7日、金沢滞在。
数日前、九州北部で大雨を降らせた梅雨前線が北陸まで北上し、滞在中、金沢市は大雨。私らは福岡から前線とともに金沢に入ったことになる。今回も時間に余裕がなく、おまけに大雨ときてはどこにも行けず、幸い郷土料理を振る舞う居酒屋がホテルの前にあったので、ご当地の酒と旬の味覚に酔いしれた。毎度のことだが、その地方の味覚を味わうことができるのは幸せだ。
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本場福井産の「鯖のへしこ」 |
メニューをみると、本場・福井産の「鯖のへしこ」があった。何はさておきそれを注文する。先週、京都の先斗町「山とみ」でも食べた「鯖のへしこ」との味比べを楽しみながら、ご当地の日本酒との相性を楽しむ。へしこは味に大きな違いはないが、こっちのは柔らかく一切れが大きい。しかも値段が安い。酒はどちらかといえば淡麗で、それは肴の味を引き立てるためだろうか。辛く濃い味のへしこと淡麗の日本酒が舌の上で絶妙のハーモニーを奏でる・・・なんていうような上品な表現じゃあない。「これ、やばい!」である。しらふからいきなり呑み助モードにスイッチが入ってしまって、もう、後戻りできなくなるような感じ!?
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甘えび |
石川といえば、やはりこの時期は「甘えび」がイチオシ。同じく小ぶりの白がす海老も食べてみた。とろんとした甘えびと違って、こちらは身が締まっていてしっかりとした食感があり、エビらしい味わい。最後、締めに食べた“冷やし氷見うどん”が美味いのなんの。腰があってカツオ出汁がよく麺にからんでいて、「ズルッ」っと一口すすっただけで旨みがジワ~ッと口中に広がる。この地方では、うどんは大麦からつくられているらしく、それゆえにどっしりとした腰があり食べ応えがある。金沢で飲んだら、締めは「氷見うどん」とメモリーだ。
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白がす海老 |
金沢はかつて百万石の城下町として賑わった古都ゆえに食文化や工芸文化が多彩で、とくに金箔を使った工芸品があることから煌びやかなイメージを抱きがちだが、我々一般大衆が腹を満たすための食の知恵や工夫がずっと伝えのこされていることは嬉しい。きっと前田の殿様は、随所に民の楽しみを豊かなまちづくりに活かしてきたのだろう。