福井名産「鯖のへしこ」と二条城~福井→京都→神戸



本場福井の鯖のへしこ

ホタルイカの一夜干し

8月8日 福井発~京都経由~神戸着。

先週4日の土曜日は滋賀県安土城跡に登り、月曜日の8月6日から福井へ。
福岡から新幹線~サンダーバード号を乗り継いで約5時間の道のり、腰が痛い。
今回、初めて福井県の土を踏む。これで未踏の県は徳島県一県となった。
福井駅には自動改札がない。昔ながらに駅員さんが切符を受け取る。

福井には一つ楽しみがある。京都、金沢でもいただいた「鯖のへしこ」だ。
「鯖のへしこ」は福井県が本家。やはり一味違っていた。
噛むとやわらかく、じゅわ~っと旨みがとけだして日本酒を美味くする。
京都で食べたものより塩辛くない。臭みもない。地元産は高いので土産物などには
ノルウェー産の鯖を使ったへしこが多いらしい。価格も手ごろで十分に風味を
楽しめるからイチオシのお土産品だ。
居酒屋ではへしことともに卓上七輪で「ホタルイカの一夜干し」をぼちぼちと
焼きながら、店主お勧めの「黒龍」を楽しんだ。


二条城の二の丸御殿

天守閣跡から二の丸御殿方面を望む

夜までに神戸に入ればいいので、福井を発って京都で途中下車。
真夏のどまんなかの暑さもなんのその、京都は観光客が犇めいていた。
空きコインロッカーを探すだけでもたいへん。京都に行くときは、
あらかじめネットで場所を確認しておくほうがいい。

地下鉄の路線図を見ていたら二条城に行きたくなった。
鴬張りのあのキュッ、キュッという音を聞けば、風鈴のように少しは涼やかさを
感じられるかなと思ったからだ。地下鉄東西線の二条城前駅を降りると大型観光バスが
列をなして駐車している。まさに歴史が稼ぐ街の様相だ。
暑さを逃れるためにもさっそく二の丸御殿に急ぐ。廊下を行くと前を行く観光客の
足音に合せて「キュッ、キュッ」と、甲高い鴬の鳴き声が響く。
往時は廊下の壁や天井には一面、極彩色の絵が描かれていて、
そこにこの美しい音が響くわけだから、視覚的にも聴覚的にも、
そして京都だからどこかに匂いの演出もあったかもしれないので、
人の五感を陶酔させるような空間だったはずだ。さすがに世界遺産。
鴬張りは夜間などに侵入者を見分ける防犯のために作られたと言われるが、
実は「水きん」のように純粋に音の演出として設けたものではないかと、私は思いたい。
廊下は障子を締め切っているからだろうか、冷房もないのに暑さを感じない。
順路に従って一回りすると約450m歩いたことになるそうだ。
床面積の広さは推して知るべし。

福井も京都も暑かったが、神戸は溶鉱炉のなかにいるようだ。
西日が真横から射す三宮駅のホームで遅れた電車を待っているときに、
ふと高村薫の小説「照り柿」を思い出した。
(http:tn-p.jp)