高森殿の杉~南阿蘇


まるで動く千手観音のような奇跡の杉。「たかもりどんのすぎ」と呼ばれる銘木だ

2013年9月23日
阿蘇は、北面だけでなく南阿蘇にも魅力があふれている。

この日は、高森殿の杉(たかもりどんのすぎ)を一目見ようと
ナビのない車で現地を目指す。もしかしたらナビがあっても道に迷うかもしれないが・・・
なんと放牧された牛がうろうろしている牧場の中を歩いて・・・つまり
阿蘇の赤牛を横目で見ながら・・・道を塞ぐ阿蘇の赤牛が行き過ぎるのを
じっと待ってから静かに、忍び足で牧場のなかを進むことになった。
しかしどこに目指す杉があるのかわからない。
たぶんあの辺だろうと見当をつけたのが幸いして、運よく探し当てた。

樹齢400年ほどだと聞くが、さもあらん。そのみなぎる生命力には脱帽だ。
その枝振りは、まさに千手観音が踊っているように見える。しかもお祝いの踊りだなと直感する。
杉は真っ直ぐに伸びるのが杉たる所以であるのに、こうも曲がってしまっては
材木としては使い道がない。だから今に至るまで生き残ってきたのだろうか・・・
と思ったら、真っ直ぐに天をさす幹が真ん中にそびえている。それを守るように
四方八方から枝が伸び、それがあっちこっち好きに伸びたのだろう。
聞くところでは、こういう杉は屋久島にもないという。

この杉林が高森殿の杉


阿蘇の赤牛にも別れを告げ、どこかで昼食を。
すぐ近くには有名な高森田楽の店もあるが、「らくだ山」に行くことにした。
・・・が、順番待ち。結局90分待つハメになった。
こんな阿蘇の山の中に、行列のできる店があるのである。
ちなみに料理は鶏を炭火で焼いていただく一品もの。
おいしいかどうかは人それぞれだが、一人分3kg食べてもまったく胃もたれしない。なぜ?

ぼぉっと炎が・・・じゅう、じゅうと焼ける音が・・・

ちなみに料理は鶏肉を炭火で焼く
一品料理。おいしいかどうかは人それぞれ
だが、一人前3kg食べてもなぜか
胃もたれしない。炭火で焼くといい具合に
脂が抜け落ちるからかもしれない。
お店の建物は、いわゆる山師小屋の風情。
床に囲炉裏が配置され、冷房も、おそらく
暖房もないだろう。この日の熊本は
最高気温34度。炭火の勢いも
手伝って、汗ダラダラで戴く。






南阿蘇と言えば、あっちにもこっちにも湧水源があって、水の豊かさは計り知れない。
もっとも知られている白川水源に寄って水を飲む。まろやかでスッと入っていく。
阿蘇は・・・というより豊かな自然は間違いなく、人を幸せにしてくれる。